Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

明るさの異なる画像のパノラマステッチについて


 これまでに何度かパノラマでHDR合成を利用することについてのエントリーを書いていますが、色々試していて以前のエントリについて補足したいことがでてきたので、今日はそれらについて書いてみます。

 以前にAE撮影したものをステッチしても大丈夫、的なことを書いたことがあります。これはあまり厳密に考えすぎなくてもいいかもしれない、ということが書きたかったのであって、プレビューで見て明らかに差があるような画像は、ステッチできても境界が発生してしまいます。
 さて、一方で、ぼくはステッチ前に先に個別画像をHDR化しているのですが、先に個別画像をHDR化した画像は、じつは微妙に明暗に差があることが最近わかってきました。少しくらい違いがあってもStitcherでは適当にブレンドしてしまうし、見た目でちょっと違うとわかる程度の画像もオートステッチしてしまうので、これまでは大きな問題だと思っていなかったのですが、6段から10段巾の画像をもとにHDR合成したときに、かなり明るさの異なる画像が生成されて、はじめて注意するようになりました。具体的には、太陽や点光源などの有無や、ほとんどつぶれたり飛んだりしている画像を含めたりすると、これらの画像が無視されるのか、パラメータが同じでも明るさの異なる画像が生成されたり、あるいは、点光源があるものとないものでは、点光源のない画像は明るく合成されることがあります。これを根本的に回避したければ先にステッチして後でHDR合成するしかないのですが、何時間もかかるレンダリングを何度もやる時間はないので、現状では明るさ違いが生成された場合は、隣接する画像の重なる部分の数値情報を読み取って露出補正で調整しています。
 ちなみにsigma8mmを使った場合は画角が広く重なりが大きいからか、このような明暗差は発生しにくいみたいです。

 今回の映像は、レンズをnikon10.5を使用して、水平-15度で6カットを2段巾3枚(4段巾)をブラケット撮影し、真上を1カット、2回ブラケットして2段巾計6枚撮影しています。真上の円形トップライトは、水平部と同じ露光条件では天井ルーバーの形状やルーバー上の鉄骨の様子が白トビしてしまったので、真上だけは余計に撮影して合成してみました。

 これまで礼拝堂の中は足場で覆い尽くされていたのですが、足場がなくなって、全体の様子がわかりやすくなりました。壁面のリブ仕上がもうすぐ終わって、その後は床仕上、椅子が取付けられます。

VR現場日記2007年10月5日(金曜日)



blog comments powered by Disqus