Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

点灯している照明の形を描写する


 普通は点灯している照明器具の形状をそのまわりの空間と一緒に写真で描写することは無理なんですが、HDR合成すればそれも可能になるのではないかと以前から考えていて、今回初めてトライしてみました。
 7月20日のものは2段巾計3枚撮影のオートブラケットを2回することで必要な画像データを撮影しています。いつもトーンマッピングのパラメータ設定は決まった設定でしていて、今回も最初はその設定で行ったのですが、もともとが明るめの設定で照明器具廻りは飛んでしまったので、改めて設定し直しました。基本的には光量を減らしてやや暗めの設定にして、必要な階調を得た後に最終的な微調整はフォトショップでしています。
 フォトショップでの調整は通常「ヌケ」や「締まり」を良くするためレベル補正をするのですが、HDRIを同じような考え方で調整してしまうと照明廻りは飛んでしまい、いわゆる調整や補正の定石はそのままでは通用しませんでした。よくマニュアル本などで書かれている画像調整は見栄えを良くするためにメリハリをつける考え方だと思いますが、HDRIを調整する場合は考え方を変える必要があるようです。
 今回設定し直したトーンマッピングのパラメータは、使えそうな気がしたので、以前に公開しているVRを改めてトーンマッピングし直してみたので、それも改めて公開します。こちらは上下2段計4段巾のダイナミックレンジですが照明の外形までは描写することができました。照明の灯体はRAW画像でも飛んでいたので、ここまでが限界ですが、前回は照明廻りが飛んで照明のかたちそのものがまったくわからない表現だったことに比べればだいぶ改善されています。

VR現場日記2007年7月20日
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1階回廊(070706ver2)
地階小礼拝堂(070629ver2)

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