Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

計測器としてのカメラ

 前回の記事と前々回の記事、たまたま同じ場所を別のカメラで撮影したら色調がずいぶんと違うことに気がついた。たぶんホワイトバランスの設定によるちがいだと思います。
まあこんなもんかなーとその場で確認はしたはずなんですが。ちなみに前々回のはRICOH GX100のオートホワイトバランス、前回のはNikon D80、Tokina AT-X116、
balensを使ったプリセットによるホワイトバランス。balensには2種類のフィルターが付属していますが、使用したのはニュートラル。こうして見るとプリセットの方はずいぶんと几帳面な設定のように見えます。そりゃそうでしょ、てことかもしれませんが、こんなに白くしなくてもいいのにという気もします。逆にGX100のほうは比較してしまうからかもしれませんが、少しかぶっている印象だけどこっちの方が実情に近いかもしれません。もうひとつのフィルター、ウォームの方を使う方がいいのか、ニュートラルで取得した後に微調整するのがいいのか迷います。白を白く見せたいとは思うし調整はその方が簡単なんですが、きちんと白くするとかえって不自然なこともあるし、現実には様々な光源の色が微妙にかぶっていることの方が多いわけで、こういうさじ加減を自分で判断しないといけないところがすごく難しい。難しいけれどもキモであることも確かだし。結局デリケートで難しい部分は機械まかせでなく自分でやれということで機械のクセも把握しとけということなんでしょうが。んーむ・・・カラーチャートも入手しないとな・・。

 以前はRAW撮影していたのでホワイトバランスは蛍光灯とか電球とか、どれかを選択して撮影して、あとで現像時に調整していました。今はHDRのために1shootにつきブラケットで9枚も撮影するのでメモリや手順を節約するためにjpeg保存をしています。なので現場でなるべく合わせておきたい。ちなみに、そんなわけですからHDR用に輪郭強調やコントラストなどカメラ内現像で出来ることはカメラ側でセッティングしています。念のためを考えればRAWも保存しておくのがいいのかもしれませんが、長時間露光にノイズ処理をかけた場合なんかはかなりカメラ内処理に時間がかかってるので、これ以上時間を増やしたくないというのが実情です。それに記憶に頼って後で調整するよりも現場で確認する方がいいようにも思いますし、あとでどうにでもなるからという態度もどうかと思うし。

 ところでNikon D300ではホワイトバランスを数値入力できるのですが、プリセットであれ他の設定であれ色温度が数値で表示されない。わざわざ高価な色温度計測機器を買わずともカメラで表示してくれると便利なのですが。たとえば他のカメラで取得した数字をD300に入力できるといいのだけど、もうひとつ所有しているD80も数値を表示してくれるわけではないので、結局は本体でプリセットするしかない。またホワイトバランスをブラケット撮影して適正値を取得してそれを採用するということもできない。なんだかすごく不便です。
 カメラを計測器として考えると距離、照度、色温度を表示してくれると何かと便利なんですが。ある程度の誤差があってもいいし計測範囲に限界があってもいいし。

 1枚目の写真はbalensとそのフィルター(光球)、フィルターの下にあるのはパッケージのウレタンの切れ端Nikonのレンズキャップに穴をあけたもの。パノラマで使うレンズのnikon10.5mmは前面に固定フードがあってフィルターの付かないタイプのレンズなので、通常フィルター用のネジが切ってあるものなら取付けられるbalensをセットすることができない。このためにわざわざ現場でレンズ交換なんかしたくないので、キャップを入手してそれに穴を開けてフィルターを固定してみました。(ちなみにsigma8mm魚眼レンズはかぶせのキャップにフィルター用のネジが切ってあるので便利です) 2枚目の写真は固定された状態です。






 キャップの穴あけは最初カッターナイフでやろうとしたのですがプラスチックが固くてらちがあかず、結局、電動ドリルで開けた後に30cmの鋼尺の角で削って、広げて微調整しました。鋼尺を使う技は昔プラ版で建築模型を作っていたときによく使った技です。
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