Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

panologue-RICOH THETA 特集号

cover


記事を書くのもちょっと気が引けるくらい、いつのまにかまた放置してしまいました。
気をとり直してリハビリのつもりで記事を書きます(苦笑)

昨年、RICOHがTHETAというワンショットインスタントパノラマカメラを発売しました。
パノローグではそのTHETAをテーマにした特集号をリリースしました。リリースしたのは昨年末の事なので、すっかりタイミングを逸した記事ですが(苦笑)

panologue 公式サイト

iTunes でpanologue を見る


ただし、有料で発売しているものですが、リリース後の時間も経過して編集長からの許可も下りたので、自分のネタに関して、掲載しなかった物も含めてここで無料公開いたします。



初めてRICOH THETA の作例を見たときの印象は、画質があまり良くない、という感じでした。だから編集長から、THETA特集号出すけどやる?って聞かれたときはだいぶ考えましたが、その後、スマホから公開されているものの元画像が縮小されている事や、近距離はまあまあよく写る事がわかったので、以前からやりたいと思っていた模型写真を撮影することにしました。

いろいろ調べたり試したりしてわかったこと

基本的にオートだが露出補正は出来る
近距離は比較的良く写る。
暗いと感度が上がってノイジーになりシャッタースピードも遅く動体ブレが起きる
光源とレンズの向きによっては極端なフレアが発生する。
ステッチ部でズレと欠損、歪みがある。
連写できない
手持ちだとシャッター押したときにブレそう

欠点ばかり挙げてしまいましたが、気楽にワンショットで全周パノラマが撮影できる事、ポールをつけて高所やアングルにとらわれない撮影が簡単にできる事などは、これらの欠点をカバーする魅力であり、THETAでしか撮影できない景色があることも確かなことです。要はその機材の特徴に見合った使い方をすればいいという事ではないでしょうか。

光源とレンズの向きでフレアが発生したサンプル
test_1

ちょっと心霊写真みたいですが。上の写真クリックするとTHETAサイトでVRで見られます。


次はステッチ部の確認。
カメラと被写体の位置関係でズレ方が変わる
R0010231_patch_0

R0010233_patch_0

R0010235_patch_0

撮影に際して留意したほうが良さそうな点

なるべく明るい状況で撮影する
光源とレンズの向きに注意する。
カメラ上下部で発生するズレの方向に注意する。
三脚などを使ってカメラブレを避ける
可能な限り、明暗数種類の撮影をする。

次は模型とTHETAのサイズを示した写真。写真をクリックするとパノラマVRが開きます。
IMG_0325

DSC_8835

IMG_1449のコピー


最後の写真が今回撮影した中でもっとも小さい模型。(サイズを示しているだけで公開したものは別のアングルです。)

大きい模型なら、最近の小型ミラーレスが入るのではないかと思われるかもしれませんが、実際には、そのためのジグや台を自作する必要があること、そのため視点が低く出来ない、カメラ本体の影の処理等、簡単に解決できないことばかりだし、そんな手間をかけるくらいなら、CGにした方が早いってケースもあるでしょう。一枚の特別な写真を目指しているわけではなくて、ある程度手軽に、空間をどう記録してどう表現するか、が課題なので。こういう模型写真の場合は写真からCGモデリングが出来るようになる方が、むしろ現実的かもしれません。

いろいろと不満を書いてしまいましたが、こういう模型写真はメインの使い方ではないと思うので、仕方がないかなって気分もあります。ただ、最近見かけるボール型多眼パノラマカメラなどを見ていると、サイズが小さくて薄いというのは大きなアドバンテージだなっていうことを改めて感じているので、リコーの開発の人には画質の向上や、次のバージョンを期待したいな、と思います。

まとめのページへのリンクを貼っておきます

設計の検討模型をパノラマで見る

演劇博物館の劇場模型


最後に、行きつけのジャズ喫茶でのジャムセッションを撮影したものを紹介します。
普通に撮影すると暗すぎて、ノイジーになるし、動きで被写体ブレがおきるしで、どうにもならないので、このときだけ店内照明を明るくしてもらいました。反則?ww
ちなみに、連写が出来ないし、ここぞってタイミングを逃しています。こういうときはバーストモードが欲しいですね。

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