Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

3Way雲台はパノラマ回転撮影に使えるか?

 いつもパノラマ関連情報でお世話になっているQTVRdiaryで、ストロボ用ブラケットを組み合わせたパノラマ雲台セットを紹介しているのですが、そのリストには回転台がなく三脚の3Way雲台を使うのかな?、もしそうだとしたらちょっと注意が必要だと思いながら、ちょっと気になって自分が以前にmixiに書き込んだコメントを確認したら、何と自分が3Way雲台だけの写真を載せているではないか。で、ちょっとマズいこともあるのでここで訂正、補足いたします。



写真はmixiのTokyoVRコミュに書き込んだときのもの
ハクバ、1ウエイシフター
ハクバ、デジタルカメラブラケットM(L=195ミリ)
メーカー不明、ストレートプレート(L=160ミリ)
(※mixiにはエツミのストロボプロテクターとkenkoのフォーカシングレールと書いたのですが今見るとどうも違うようなので上記のように訂正します。)


 パノラマ回転台は、量販店で入手できるものとしては、
Novoflexmanfrottoの300Nが挙げられるが、高価なので回転させるだけなら普通の雲台でもいいのでは、と考える人がいるかもしれない。ぼく自身、そう考えてトライしたけれどもいくつか問題があって、結局は専用の回転台を購入することになったわけだが、その注意点について書きます。
 まず2Wayもしくは3Wayの雲台が、パノラマ回転撮影で使用できるかどうかにはひとつ前提条件がある。それは、三脚のセンターポールに対して雲台を直交する平面に設定したとき、たとえばセンターポールを垂直にしその状態で雲台を水平にしたとき、センターポールの中心と雲台のネジの中心が合致していないといけない。ネジが回転中心にあればいいが、ずれていれば当然回転もその分ずれて使えないことになります。
 上記の条件を満足した上で回転が同一平面内で行われるように設定する必要がある。具体的には、センターポールを垂直にして、雲台を水平にしてその状態で水準器を雲台に乗せ回転させたときに水準器に動きがなければよい。ちなみに回転面は必ずしも水平である必要はなく、むしろ注意すべきは同一面内での回転ということなのですが。
 回転中心(センターポールの中心)とネジが合っているかどうかを確認するのは、ものさし等をあてて簡単に確認できるようなことではないし、目視でだいたい合っているという程度では誤差がどの程度出るかわかりません。仮にぼくがこの確認をしようとしたらレーザーで垂直線を照射してポールとネジの位置関係を見ることになるでしょうか。
 そんなわけですから、2Wayや3Wayの雲台は使えるかどうかの確認が難しく、使えたとしても設定がやや面倒で注意を要することを考えるとあまり人に勧められるものではないということが言えます。
 それではパノラマ回転撮影には専用回転台しか選択肢がないのか? 条件付きですがボール雲台なら使えるものがあります。たとえばManfrottoの488のように回転だけ自由にすることができる機構を持つものなら可能性があります。ただし、これも上述したようにあらかじめ水平面に雲台を置いて雲台面の水平を設定し回転機構(パンニング機構)だけを利用するということになりますし、ネジの位置については上記の条件を満たす必要があります。
 下に国内の量販店で入手できる製品だけで組んだパノラマ雲台ということでサンプル写真を挙げておきます。




ボール雲台
:Manfrotto488
スライディングタイプのクイックシュー:
FOBA


 FOBAはあまりなじみがなかったのですがたまたまビッカメラの在庫処分で安価だったので入手したもの。最初の写真ではハクバの1ウエイシフターといフォーカシングレールを使っていますが、これは固定できないということがパノラマ用としては不向きで、スライディングプレートの方がいいです。
 ぼくのパノラマ作品で初期の多くのものは、この写真でボール雲台をNovoflexのパノラマプレートに置き換えたセットで撮影されています。ブラケットプレートのネジが溝に対してアソビが小さくなるようにネジにテープを巻いたり、ネジがいつも溝の中で同じ位置にあるように固定したり、締め付けネジもやや大きめのものに変えて締め付けやすくしたり、いろいろと工夫することでそれなりに使えるものになっています。ちなみにNovoflexのパノラマプレートは動きはスムーズですが、たぶん薄い構造のせいだと思いますが、回転させたときにカメラの重さでほんのわずかですが、回転面が傾きます。水準器を乗せておくとわかります。そう言う意味ではマンフロの300Nは重いのが難ですが厚みがあるせいだとおもいますが、回転させても傾かないということでは信頼できます。上の488も傾かないという意味ではNovoflexよりいいのですが、ブラケットプレート程度ならいいのですが、これに303SPHをのせると、支柱の細さが不安になります。若干、振動するような感じですし。(ブラケット撮影中に水準器がわずかに揺れます)
 細かいTipsはいろいろとありますが今日はここまで。オマケに一脚撮影セットの写真。sigma8mmFisheyeさえあれば、これでもいけるというサンプルです。



※実際の撮影では右手でカメラをホールドします。





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