Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

テントの佇まい



 先日、リンクの件で
唐ゼミの方から問い合わせがあって、撮影したのにオーサリングしていないデータがあることを思い出した。いや、忘れていたわけではないのだけど・・

 さて、
劇団唐ゼミ☆の青テントですが、最初に公開したときは三色テントの比較とか、テントの仕組みということを考えて、正面入口、花道、舞台後方を一組としたものを公開したのたけど、今回はテントの外観をひとまわりしたものを公開します。

 周囲にある1立方メートルほどの大きさの鉄骨フレーム+黄色いビニール袋は廃材入れのようにも見えるが、これは水を入れて約1トンのテントの重しとして使われている。たしか梁山泊のものだから、このとき限りの仕様かもしれないが、重しという機能、それと雰囲気がちょっと華やかな感じになるということもあるので、これはあったほうがいいかもしれないと思う。唐組の
紅テントはその紅い色自体で樹々の緑に映えるのだけど、公園の青テントは別のイメージを連想するし(それをねらっている可能性もあるのだけど)、こうした黄色やオレンジが周囲にある方が映える気がします。

 舞台後方の鉄管で組んだタワーや階段状のセットはエンディングの仕掛け。テント芝居ではエンディングでテントを開くということがお約束のような演出なんだけど、このときは後方だけでなく天井の一部も開けて、最後に観客の視線が上空に向かうような演出だった。こうした演出はぼくは初めてで、かなり新鮮でした。8m四方というかなり小さな空間に観客が押し込められているということが、最後に上空が開くことで解放される、そういうカタルシスがありました。芝居の質を考えるともっと大きな空間で集客してもいいと思えるのだけど、最後に視線を上空に向けたのが成功しているのは空間が狭く奥行きがないからこそなので、そうした小さなテント空間の可能性を考えると必ずしも大きくした方が良いとは言えないところが面白い。

 唐ゼミでは、次回公演予定が発表されているが、その中で、
「500日間の空間偽装工作」というなんだかすごく期待させる企みが発表されている。知りたかったら桜木町のBARで週一回面談!が行われているとのことで、一人では怖いので誰かを誘ってちょっと行ってみようと思っている。ぼくは小劇場勉強会という会に週一回参加しているのですが、そこではいろんな人にゲストに来てもらって話を聞いたり、見学に行ったり、芝居を見に行ったりしていて、月並みな言い方だけど、新しい出会いとか発見とか議論とかが新鮮で、ネットで情報を仕入れることとは全く違う面白さを感じているのだけど、唐ゼミが桜木町のBARでそういうチャンネルを持ったことが、今後にどのように生かされるのかすごく楽しみだ。


劇団唐ゼミ☆の青テントをQuickTimeVRで見る
入口側看板前(3.5Mb)
入口側受付前(3.2Mb)
青テントと付属テント(3.3Mb)
舞台後方下手側(3.5Mb)
舞台後方上手側(2.8Mb)


 画像は同じ調子で仕上げる方が望ましいのかもしれませんが、時間をおいて制作されているせいで調整方法や手順がそれぞれ異なっているので、印象がまちまちとなっていますが、ご了承ください。
 



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