宇田川心中
昨年の新宿梁山泊と劇団1980の合同公演「宇田川心中」(小林恭二作)の舞台空間をパノラマVRで紹介いたします。
美術の大塚さんによると、脚本にはシーンが多く、それをどう転換し表現するかが大変だったとのことで、自由輪で回転する5つのフレームに壁やよしずを表現し、それを回転させることでシーン転換をしています。回転するために余計な突起物を設けにくいのか、フレームそのものはシンプルなものになっています。「ベンガルの虎」でブリキの質感が生かされていたこととは対照的なデザイン。大塚さんは、今回の芝居はテントよりもオーソドックスな小劇場の方が向いているかもしれない、と話していましたが同感です。
間口が広く、いつもはセンターにある花道の代わりに下手側の壁際に花道があり、ちょっと歌舞伎的な空間になっています。客席は前半分が桟敷、後半が急勾配の段床客席。間口が広く奥行きが浅い空間はベニサンピットの平面プロポーションに似ています。
チラシ、ポスター、舞台の髑髏の絵は宇野亜喜良氏によるものです。現場で6時間ほどかかって書いたとのことですが、劇中も大変印象的で妖しいシーンを創出していたように思います。
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