Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

昭和音楽大学新百合ケ丘校舎見学会


 以前に何度か某音楽大学の劇場をVRで紹介しましたが、先日(2月3日土曜日)、この劇場をテーマとして、「昭和音楽大学新百合ケ丘校舎見学会-教育施設としての劇場・ホール」という建築学会主催の見学会が行われました。残念ながら、都合がつかず参加できなかったのですが、まだ公開していなかったVRがあるのでそれをとりあげます。
 民間の商業的なホールでもなく、公共のホールでもなく、教育施設としてのホール・劇場ということで、ある意味、専用的で特徴のある施設なのですが、今回取り上げる二つのVRにも、その特徴が見られます。

 スノコは、オペラ劇場ということで、通常、多目的ホールなどで見られる音響反射板がなく、そのための機器がないので非常にすっきりとしています。音響反射板は吊りだけでなく、収納のために平面的な移動を伴うので、他の吊りものと干渉して計画が難しい部分なのですが、これがないことでスノコを使う上での自由度が高くなっています。青色の業務用掃除機のように見えるものは、移動型の吊り機器で、必要に応じた場所に設置することができます。見通しがよくすっきりしていることは安全性にもつながるでしょうし、まだ未熟な学生が関わることを考えると、良い点だと思われます。反面、音楽大学なのにオーケストラのための音響反射板を設置しないことは、かなり反対意見もあると思いますが、オペラ劇場に最適化するという大きな決断をすることで、一見わかりにくいかもしれないけれども、様々な部分でその長所を生んでいる思われます。

・大ホールスノコをQTVRで見る

 もうひとつは舞台下手(※1)のVRです。吊物は手動ではなくすべて電動なので、舞台レベルには人が吊り物を操作するための綱元(つなもと)はなく、舞台袖は道具を置いたり、演出のためのスペースとして広く自由に使うことができるようになっています。プロフェッショナルな人にとっては、手動の方がデリケートに動かすことができるなど、手動の良さもあるのですが、ここでも割り切った考え方がされています。
(※1)下手は「しもて」と読み客席から舞台を見て左側のことで、右側は上手(かみて)と言います)

・大ホール舞台下手をQTVRで見る

 以前にとりあげたQTVRにも下記にリンクを貼っておきます。(クリックするとQuickTimeVRが開きます)

・大ホール舞台(工事中)
・大ホール舞台(竣工直前)
・大ホール1階客席(工事中)
・大ホール1階客席(竣工直前)
・大ホール2階客席(竣工直前)
・舞台上部ギャラリー-1
・舞台上部ギャラリー-2
・小ホール舞台(工事中)
・小ホール舞台(竣工直前)
・スタジオ


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