Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

HDRIの質感



 あちこちでHDR画像を見るけど、その中でも望遠系のレンズで撮影されたHDRIは奥行き感がなくなって平板な感じになり結果として絵画調と呼ばれるHDRらしい表現になっていると思う。ぼくはそういう表現が嫌いではないのだけど、パノラマにそうした方法を適用できるかと言うと、空間の奥行きを表現したいということと相反するような気もするし、そんな簡単なことではないということはなんとなく理解できる。ただローカルコントラストと呼ばれている効果についてはそれが質感のコントロールにつながることもありそうなので以前から気にはなっていたのだけどなかなかきっかけがつかめなくて、たまたまいつも拝見しているブログでトーンマッピングの設定について言及されているのを読んで、ちょっと思いついたことがあったので設定を変えたものを試しにつくってみました。いつも使っているパラメータはかなり以前にPhotomatixを使い始めた頃にいろいろ試した上でもっとも無難な結果になったもので、トビツブレさえおさえれば後は調整すればよいというもので、階調さえ残っていればそれをなんとか調整、描画することが出来るようにはなってきたものの色彩や質感についてはあまり検討していないので、これからはそのあたりも考えないといけないかなと。白、黒、グレイなどはこれまでも調整していますが、カラーバランスについては記憶や主観、あとはなりゆきだったりして、自分が設計した空間で塗装色を厳密に指定した金属や材料指定した石や木材などはその色や質感を忠実に再現したいと思うし、たとえば記録ということをまじめに考えるとこのあたりのことをおろそかにできないとは思っているのだけどなかなか難しいことではある。

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 今回のような表現はノイジーで古く朽ちた感じは好きなのだけど、人によってはどうかと思うかもしれないし、竣工したばかりの建物や真新しい現代的な材料などには不向きだとも思う。まあとりあえず作例ということで。ちなみに前回のエントリーもそうですがサムネイルはLDRです。

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