Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

スイミーハウス



知人の建築家、三浦丈典さんが設計した住宅を紹介します。

スイミーハウス

当ブログで住宅を紹介するときは「◯◯の家」という〇〇で場所を示すタイトルが多いのですが、今回はタイトルがあります。と言っても意味はすぐには想像出来なくて、聞いて何となく理解したもののうまく説明出来ないのでなんとなく想像して欲しいのですが、いずれ某建築雑誌で紹介されるとのことですから、興味がある人はそちらを読むといいかもしれません。三浦さんの住宅としては当ブログで以前にAlexという住宅を紹介しています。このときはたしか施主の息子さんの名前に由来しているとのことで、その後、BenjaminとかCharlieとか、ABC順のコードネームみたいに続けるつもりだと話していて、おい、Zまでいったらどうすんだよって、その時は本気とも冗談ともつかない話をしましたが、どうやらそういうのはやめたみたいですね。ちなみに同時期にナスカの古谷さんの住宅も紹介していますが、そちらはUNABOというタイトルでした。

住宅のタイトルで印象的な建築家としてすぐに思いつくのは篠原一男。すべてというわけではないにしろ「白の家」「高圧線下の住宅」など印象的なタイトルがいくつもあります。篠原一男はすぐれたコピーライターである、と評した人もいましたが全く同感です。また、ぼくがお世話になった白川直行さんもよく作品にタイトルをつけていました。ぼくが担当してSDレビューで賞もいただいた住宅は設計中は◯◯邸と施主名で呼ばれていましたが発表時には「立方体の風」というタイトルがつけられて、妙にストンと納得した覚えがあります。その後、完成してから伺ったときに、お施主さんから「ワンダーハウスへようこそ」と言われて、ああ楽しんでいただいてよかった、とうれしい思い出があります。たぶんこの頃のことだと思いますが、「無意味な線を描くな、意味のない線などないし、逆に言うとすべての線には意味があるのだよ」といった旨のことを白川さんに言われて、それがこの住宅で表現され、施主にも理解されて楽しんでもらえたのが非常に嬉しかった。「意味のない線などないのだよ」って、今にして思うとまるで京極堂のせりふみたいですよね。

ネーミングって、そのことでイメージが狭められる可能性もあって、そういうのを嫌って単にコードネームのようなタイトルを付ける人も多いし、そもそもひとつの言葉で説明しきれるものでもないわけなんですが、タイトルやネーミングってその人のユーモアやセンスを感じることができたりしてそれはそれで興味深いものです。

さて、この住宅、いろんな人が撮影していて、三浦さんのサイトでそれが紹介されています。撮影者が違うと写真もまた違うものになるのが面白いし自分にとってもいい刺激になります。




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