Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

池袋あうるすぽっと


 東京、東池袋に新しく出来た小劇場の見学をしてきました。
 客席数301席(固定段床席)、プロセニアムタイプの小劇場です。施設概要などは
公式サイトで確認できるので、そちらをごらんください。
 もともとブラックボックス的な多目的スペースとして検討されていたのが、途中で劇場的な仕様に変わったということと、複合ビルの一部ということもあって、断面計画、すなわち高さ方向の設計でだいぶ苦労しているように見えました。このくらいの規模だと平土間を基本として客席を仮設的にしつらえる考え方と、このように固定段床とする考え方の大きく二つの方向性が考えられるのですが、前者だと演出や空間設計の自由度は高いのですが仕込みに手間がかかるので公演する側からすると負担になる場合もあるような形式で、後者は固定的な設計なので使う側からすると自由度が低いことに不満を感じる作家もいるかもしれませんが、どちらかというと仕込みやすい形式です。こうした形式の違いは、運営方針などによって変わってしまう性質のものなので、どちらがより良い、というのは、かなり難しい選択ではあります。貸し館としての利用が主であれば、固定段床の方が楽で使われやすいかもしれませんが、それだとちょっと実験的な演出や空間デザインをしようとすると自由度に不満を感じることになります。貸し館の方が収入が安定するので運営的にはいいのでしょうが、儲からなくても芸術、文化的に質の高いコンテンツを提供しようとする運営を意識してもいいのではないか、そんな気もするのですが、税金の無駄遣いであるという見方もあるので、ますますむずかしい問題ではあります。いずれ具体的なプログラムがわかれば、運営方針もわかるかもしれません。施設名称に舞台芸術交流センターとあるので、これも気になるところですね。

あうるすぽっと

舞台上で見るQTVR
客席通路で見るQTVR
客席最後部で見るQTVR
客席上部サイドギャラリーで見るQTVR

画像についての補足
舞台のVRのみHDR合成処理をしているので、他と少し色の調子が違います。これは照明の逆光を制御するのが目的でHDR処理しました。客席中通路も天井照明がきつかったのでHDR処理しようとしたのですが、フレアが汚くてLDRのまま描画しています。

[参考リンク-池袋周辺の劇場]
池袋小劇場
シアターグリーン
サンシャイン劇場
東京芸術劇場



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