Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

VR現場日記/2008年1月21日/パイプオルガン工事の様子



 前回のエントリからちょっと間が空いてしまいましたがパイプオルガン工事の様子を撮影してきたので公開します。
 ついこの間、検査をして引き渡しが済んだばかりなのにオルガン工事が始まった途端に工事現場に逆戻りしてしまいました。オルガンについては施主とオルガンビルダーの契約なので我々建築の設計者も施工者も関係がないのですが、何かと心配なのでこうして様子を見にきています。あらかじめ作られたパーツを組み立てるだけだと聞いていたのですが、ほとんどバラバラの状態から組み立てるような感じです。パーツを見てもそれがどうなるのかは全くわかりません。職人さんに話でも聞ければいいのですが、なにせ相手はスイスから来ているのでドイツ語じゃないと通じないし。

パイプオルガン工事の様子をQuickTimeVRで見る
チャペル1階の中央で見る(HDR)
チャペル1階の聖壇前で見る
チャペル2階で見る

 2階の入口扉の上を見ると、壁仕上で使用しているリプ材の断面を見ることができる。断面形状の異なる数種類の材をランダムに使うことで音が拡散するようにしています。またリブ材の間に見えるグレイ(ガラスクロス)の部分は音響的には透明で音が抜けるようになっていてその背後には奥行き約60センチの空間があり、そこに空間の中心に音が集中しないように音を反射させる壁を配置しています。

 今回はチャペル1階中央以外の二つについてはHDR処理をしていません。外が曇り空でしかも夕方だったので天井トップライトからの光もそれほど強くなく、照明も2階のアッパライトだけだったのでRAWを調整して仕上げています。現場のような混沌とした状況ではHDRが合っていると感じていたのだけど、竣工した建築については、色や質感の違いを比較して把握してかないといけないか、とか、たまにLDRのコントロールもしておかないと感覚が鈍ってしまうような気もしたり、HDR合成した方がいいのかどうかちょっと迷ったりしています。

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