Virtual Architecture | shikano yasushi atelier

遠景と近景



 仕事に関連して台場にある国際学生会館という留学生のための寮施設を見学しに行ったついでに、台場は初めてだったので散策しながらいくつかVRを撮ってきました。

 見学した寮施設は約1000人ほどの収容能力があり、現在は800人ほどの学生が生活しているとの事。ラウンジなどのほか、体育館、音楽練習室、アスレチックジムなど付帯設備が非常に充実している反面、最下階にコンビニがあるだけで近所にはスーパーマーケットもなく非常に生活しにくい場所のような印象を強く受けました。台場周辺にはたしか公団住宅もあって、そこで生活している人たちもいるはずなのですが、都市計画的な生活上のコミュニティが成立するような空間とか仕掛けとかが感じられず、何かが欠落しているような、そんな印象の街でした。


 VRづくりにおいて、意識的あるいは無意識的に近景でディテールを表現する事で遠景と対比させるような表現をしばしばしているような気がします。遠景だけだとなんだか間延びしているような気がしてしまうのですね。以前公開したみどり文化センターの前の広場でのVRは広大な広場の中心であったため、それだけで見てしまうと茫漠としていて他のVRとセットになるから公開しましたが単独のVR作品としては成立してない印象がありました。こうした遠景と近景を考えることは建築のデザインを考える際に、ディテールと空間全体のデザインを総合的に考えることと似ています。
 今回の二つの作品は両方とも遠景が主で近景に対比させたくなるものはなく強いて言えば地面くらいのものでしょうか。(おかげで足下の石目地のレタッチには少し気を使わされました) 遠景を地面との対比で魅せようとするのは、面白いかもしれませんがさすがに無理があるので、イルミネーションを少し派手目に描画しています。

お台場の夜景をQTVRで見る-1
お台場の夜景をQTVRで見る-2


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