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劇団唐ゼミ☆「ガラスの少尉」まとめ



昨年の劇団唐ゼミ★「ガラスの少尉」公演をQuickTimeVRパノラマでまとめました。気がついたら今年初めてのパノラマ公開みたいです。たくさん撮影しているのですけどね(苦笑) 

川崎市市民ミュージアムでは広場にテントを建てての公演でしたが、横浜では倉庫を使った公演でした。テントでは一辺が8メートルの正方形平面の一部、舞台後方と客席後方を若干拡張した空間で公演していますが、このBankART Studio NYKはそれに比べるとかなり大きな空間です。天井高さ5メートル、1スパン6メートル×6メートル、間口が2スパン(12m)、奥行きが5スパン(30m)、つまり36m2が10コマ計360m2の空間です。特徴的なのは奥行き方向センターに柱が4本並んでいることで、いつもよりサイズが大きいこと、この列柱があるということ、そしてテントではお約束のエンディングでの屋台崩し、借景をどう扱うか、それらが空間演出のポイントだったと思います。

仕込み前の倉庫を見る

川崎での青テント公演のときは、桟敷席上にアーチ型の天井を作り、小さいテント空間をさらに密度や緊張感の高い空間にデザインしていました。もう一度見返してみると所々に青が垣間見えてその二重構造がより強調されているようにも見えておもしろい。倉庫では仮設天井の向こうはコンクリートの壁なので、テントで感じる微妙な色気のような雰囲気がない。空間サイズが大きくおまけに中央には列柱まである倉庫ではスペクタクルに向かうことがある意味必然で、そのことが観客の期待するところでしたが、その期待に十分答えてくれた芝居であったと思うと同時に、テント芝居の面白さや可能性も再認識させてくれたよう気がします。 

川崎市民ミュージアム広場での青テント版「ガラスの少尉」 横浜馬車道BankART Studio NYKでの倉庫版「ガラスの少尉」


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